テビケイの薬理特性
インテグラーゼ阻害剤(INSTI)の耐性に関連する主なアミノ酸変異(in vitro)The IAS-USA drug resistance mutations list(2015)
ドルテグラビル(DTG)耐性に寄与する主なインテグラーゼのアミノ酸変異は、Q148H/Rとされています。
[試験方法]
HIV-1における薬剤耐性変異について、次の4つのクライテリアのうち1つ以上で同定された場合とした。(1)in vitroでの継代培養、site-directed mutagenesis法により耐性変異株を作製すること、(2)研究室で分離された株または臨床分離株に対する感受性試験を行うこと、(3)治療に失敗した患者から得られたウイルスのヌクレオシド配列を検出すること、(4)ベースライン時の遺伝子型と治療後の患者におけるウイルス学的反応との間の関連分析を行うこと。
インテグラーゼ阻害剤(INSTI)の交叉耐性について(in vitro)
705種のラルテグラビル(RAL)耐性臨床分離株(全体)の93.9%において、ドルテグラビル(DTG)のFC(Fold Change)は10未満でした。
RAL耐性臨床分離株に対するDTG及びRALのFC(in vitro)

*一次変異 Q148H、 Q148K、 Q148R、 Y143C、 Y143H、 Y143R、 N155H、 H51Y、 G118R、 S147G、 S153F、 S153Y、 G193E、 R263K、 L74I、 L74M、 T97A、 E92Q、 E92V、E138A、 E138K、 E138T、 G140A、 G140C、 G140S、 V151I、 G163K、 G163R
[試験方法]
RALの投与経験のある患者から分離した705種のRAL耐性株について、Monogram Biosciences社のPhenoSense分析を用いてDTGに対するFCを調べた。
インテグラーゼ阻害剤(INSTI)の単一及び複数耐性変異株に対する感受性(in vitro)
ドルテグラビル(DTG)の単一耐性変異株に対するFC(Fold Change)は、0.26~3.6でした。
ドルテグラビル(DTG)の複数耐性変異株に対するFC(Fold Change)は、0.35~19でした。
[試験方法]
Site-directed mutagenesis kitによりINSTIに対する耐性変異株を作製し、DTG、RAL及びEVGに対する感受性を調べた。
ドルテグラビル(DTG)、ラルテグラビル(RAL)及びelvitegravir(EVG)*を用いた継代培養実験(in vitro)
DTGでは、全試験期間を通して10nM未満の濃度でウイルスの複製を阻止しました。
[試験方法]
HIV-1 strain ⅢBが持続感染したMolt-4とMT-2細胞を混合培養し、そこに薬剤(ドルテグラビル(DTG)、ラルテグラビル(RAL)、EVG*)を添加して培養後、培養上清を採取し、MT-2細胞と混合してHIV-1をMT-2細胞に感染させた。その後、薬剤(DTG、RAL、EVG)の存在下で継代培養した。細胞傷害効果を観察し、各薬剤の濃度を段階的に高めるとともに、ウイルスゲノムの遺伝子解析及び分離ウイルスの薬剤に対する感受性試験を行い、ウイルスの複製が認められた時点における各薬剤の濃度を測定した。
インテグラーゼ阻害剤(INSTI)の解離速度について
ドルテグラビル(DTG)は、野生型IN-DNA複合体※からの解離速度が他のINSTIと比べて遅いことが示されました。
[試験方法]
野生型及びINSTI耐性変異を有するインテグラーゼとビオチン標識DNA-SPAビーズで複合体を形成させ、さらに3H(トリチウム)で標識したDTG、RAL及びEVGをそれぞれ加え結合させた。そこに非標識INSTIを過剰に添加することにより解離反応を起こし、解離半減期を算出した。
IN-DNA複合体※からのインテグラーゼ阻害剤(INSTI)の解離速度
ドルテグラビル(DTG)はINSTI耐性変異IN-DNA複合体からの解離速度が遅いことが示されました。
野生型及び耐性変異株IN-DNA複合体からのINSTIの解離半減期(in vitro)

aND:[3H]EVG定量下限値未満 RAL:ラルテグラビル * EVG:elvitegravir、単剤は国内未承認
[試験方法]
野生型及びINSTI耐性変異を有するインテグラーゼとビオチン標識DNA-SPAビーズで複合体を形成させ、さらに3H(トリチウム)で標識したDTG、RAL及びEVGをそれぞれ加え結合させた。そこに非標識INSTIを過剰に添加することにより解離反応を起こし、解離半減期を算出した。
TVCX00134-D1902D 改訂年月2019年2月