耐性変異/相互作用
トリーメク配合錠の大規模臨床試験における耐性変異の発現(海外データ)
抗HIV薬による治療経験のないHIV感染症患者を対象とした4つの大規模臨床試験(SINGLE1-3)、FLAMINGO4-6)、ARIA7)、SPRING-28-10)試験)では、DTG投与症例におけるINSTI、NRTI、NNRTI、PIに対する耐性変異の発現は認められませんでした。
また、抗HIV薬による治療経験のあるHIV感染症患者を対象としたSAILING11、12)試験では、INSTI耐性変異が1%(4例)に認められ、うち1例はベースライン時のRALに対する主要な耐性変異でした(Q148H/G140S pathway)。残り3例のうち2例はR263KまたはR263R/K mixture、1例はV151V/Iの耐性変異が認められましたが、それらのFC†は2未満あるいは変化なしでした。
抗HIV薬による治療経験のないHIV感染症者における耐性発現1-10)
DTG投与症例(合計1,315例)における
INSTI、NRTI、NNRTI、PIに対する耐性発現率:0%
抗HIV薬による治療経験のあるHIV感染症患者における耐性発現11-12)
DTG投与症例(354例)における
INSTIに対する耐性発現率:1%(4例)
ドルテグラビルは、IAS-USAガイドラインにおいてジェネティックバリアについての記載があります。

耐性変異の発現(ウイルス学的エンドポイント)

STRIIVING試験の投与24週及び48週におけるプロトコールで規定されたウイルス学的治療失敗(PDVF)は、いずれの群においても0例でした。
プロトコールで規定されたウイルス学的治療失敗(PDVF)時における耐性変異発現例数
(ウイルス学的エンドポイント)

※PDVF(Protocol Defined Virologic Failure)の定義:無作為割り付け後に血漿中HIV-1 RNA量≧400copies/mLが2回連続検出された場合。
a:血漿中HIV-1 RNA量 58copies/mL、 64copies/mL、 71copies/mL
b:血漿中HIV-1 RNA量 55copies/mL、 55copies/mL、 61copies/mL、85copies/mL
c:血漿中HIV-1 RNA量 51copies/mL
d:血漿中HIV-1 RNA量 53copies/mL、 54copies/mL、 156copies/mL

SAILING試験の投与48週において、DTG群でINSTI耐性変異が認められた4例のうち1例はベースライン時にRALに対する主要な耐性変異が認められました(Q148H/G140S pathway)。残り3例のうち2例はR263KまたはR263R/K mixture、1例はV151V/Iの耐性変異が認められましたが、それらのFC†は2未満あるいは変化なしでした。
プロトコールで規定されたウイルス学的治療失敗(PDVF)時における耐性変異発現症例数
(ウイルス学的エンドポイント)

※ PDVF(Protocol Defined Virologic Failure)の定義:
・ウイルス学的無効:投与16週目までの血漿中HIV-1 RNA量減少が<1 log10 copies/mL(<400copies/mLの場合を除く)、または投与24週目以降に血漿中HIV-1 RNA量≧400copies/mLが検出された場合。
・ウイルス学的リバウンド:血漿中HIV-1 RNA量<400copies/mLに至った後に血漿中HIV-1 RNA量≧400copies/mLに再上昇した場合、血漿中HIV-1 RNA量最低値が≧400copies/mLの時に、最低値よりも>1 log10 copies/mLの上昇が確認された場合。
ドルテグラビル(DTG)、ラルテグラビル(RAL)及びelvitegravir(EVG)*を用いた継代培養実験(in vitro)
DTGでは、全試験期間を通して10nM未満の濃度でウイルスの複製を阻止しました。
DTG、RAL及びEVGのウイルス複製阻止濃度(in vitro)

* EVG:単剤は国内未承認
【試験方法】
HIV-1 strain ⅢBが持続感染したMolt-4とMT-2細胞を混合培養し、そこに薬剤(ドルテグラビル(DTG)、ラルテグラビル(RAL)、EVG*)を添加して培養後、培養上清を採取し、MT-2細胞と混合してHIV-1をMT-2細胞に感染させた。その後、薬剤(DTG、RAL、EVG)の存在下で継代培養した。細胞傷害効果を観察し、各薬剤の濃度を段階的に高めるとともに、ウイルスゲノムの遺伝子解析及び分離ウイルスの薬剤に対する感受性試験を行い、ウイルスの複製が認められた時点における各薬剤の濃度を測定した。
インテグラーゼ阻害剤(INSTI)の解離速度について
ドルテグラビル(DTG)の野生型IN-DNA複合体※からの解離半減期は71時間でした。
野生型IN-DNA複合体からのINSTIの解離半減期(in vitro)

※IN-DNA複合体:インテグラーゼとDNAの複合体 *1 RAL:ラルテグラビル *2 EVG:elvitegravir、単剤は国内未承認
【試験方法】
野生型及びINSTI耐性変異を有するインテグラーゼとビオチン標識DNA-SPAビーズで複合体を形成させ、さらに3H(トリチウム)で標識したDTG、RAL及びEVGをそれぞれ加え結合させた。そこに非標識INSTIを過剰に添加することにより解離反応を起こし、解離半減期を算出した。
トリーメク配合錠の製剤及び組成
トリーメク配合錠の成分は、ドルテグラビル、アバカビル、ラミブジンです。
食事の有無にかかわらず投与可能な1日1回1錠※の配合剤です。
トリーメク配合錠の投与法

ドルテグラビルの代謝
ドルテグラビルは、主に肝臓でUGT1A1によりグルクロン酸抱合されて代謝される薬剤です。

トリーメク配合錠の相互作用
ドルテグラビルは主にUGT1A1の基質であり、CYP3A4でもわずかに代謝される。また、ドルテグラビルは有機カチオントランスポーター2(OCT2)及びMultidrug and Toxin Extrusion 1(MATE1)を阻害する。アバカビルは主にアルコールデヒドロゲナーゼ及びUGT2B7で代謝される。ラミブジンはOCT2、MATE1及びMATE2-Kの基質である(「重要な基本的注意」及び「薬物動態」の項参照)。
併用注意(併用に注意すること)

トリーメク配合錠
– DTGを含有する1日1回1錠製剤(SPR:single pill regimen)

※【トリーメク配合錠の用法・用量】
通常、成人には1回1錠(ドルテグラビルとして50mg、アバカビルとして600mg及びラミブジンとして300mgを含有)を食事の有無にかかわらず1日1回経口投与する。
TRMQ00103-D1902D 改訂年月2019年2月