安全性(海外データ)
「警告、禁忌を含む使用上の注意」等はドラッグインフォメーションをご参照ください。
本剤は海外臨床データに基づき承認されたため、審査で評価された海外臨床試験の結果を紹介します。そのため、一部、国内未承認の薬剤の成績が含まれています。
ドルテグラビル、アバカビル/ラミブジン併用時の安全性(海外データ)
海外の臨床試験(ING114467、ING113086、ING114915、ING112276)において、抗HIV薬による治療経験のない患者を対象として、ドルテグラビル50mg及びアバカビル/ラミブジン(600/300mg)を併用投与した場合の副作用は40%(679例中274例)に認められ、主な副作用は悪心(12%)、不眠症(7%)、頭痛(6%)及び浮動性めまい(6%)であった(承認時)。
海外の臨床試験(201147)において、抗 HIV 薬による治療でウイルス学的抑制が得られている患者を対象として、本剤に切り替え投与をした場合の副作用は、22%(262例中57例)に認められ、主な副作用は悪心(8%)、疲労(3%)、下痢(3%)、頭痛(3%)であった(投与後48週時)。
重大な副作用注1として、過敏症(頻度不明)、薬剤性過敏症症候群(頻度不明)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)及び皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)・多形紅斑(頻度不明)、重篤な血液障害(1%未満)、膵炎(頻度不明)、乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)(頻度不明)、横紋筋融解症(頻度不明)、ニューロパチー(頻度不明)、錯乱状態(1%未満)、痙攣(頻度不明)、心不全(1%未満)、肝機能障害(1%未満)、黄疸(頻度不明)が報告されています。
注1 副作用の頻度については、成人HIV感染症患者を対象とした海外臨床試験成績(ING114467、ING113086、ING114915、ING112276)に基づき記載した。
ABC/3TC併用時の安全性(海外データ)
海外の臨床試験において、抗HIV薬による治療経験のない成人HIV感染症患者を対象として、ドルテグラビル(DTG)及びアバカビル/ラミブジン(ABC/3TC)を併用投与した場合の副作用は、40%(274/679例)に認められ、SINGLE試験(投与96週後)、SPRING-2試験(投与96週後)、FLAMINGO試験(投与48週後)、SPRING-1試験(投与96週後)におけるDTG+ABC/3TC群の副作用発現率は、それぞれ44%(184/414例)、32%(54/169例)、34%(27/79例)、53%(9/17例)でした。
SPRING-1試験(第Ⅱb相臨床試験:海外データ)
試験概要
【目的】
あらかじめ設定した経口投与量のドルテグラビル(DTG)について、投与16週における抗ウイルス効果と忍容性を比較した結果に基づき、1日用量を設定する。
【対象】
抗HIV薬による治療経験のない成人HIV-1感染症患者205例
(ベースライン時のHIV-1 RNA量≧1,000copies/mL)
【方法】
第Ⅱb相臨床試験(ING112276)、多施設共同、無作為化、並行群間、用量設定試験
HIV-1感染症患者を、DTG 10mg、25mg、50mgを1日1回投与するDTG 10mg群、DTG 25mg群、DTG 50mg群、またはエファビレンツ(EFV)600mgを1日1回投与するEFV群に無作為に割り付け、投与16週後、24週後、48週後、96週後に有効性及び安全性について検討し、投与16週後にDTGの用量を設定した。DTGの投与量については盲検的に、DTGまたはEFVの投与については非盲検的に割り付けた。
核酸系逆転写酵素阻害剤(NRTI)は、アバカビル/ラミブジン(ABC/3TC)600mg/300mgまたはテノホビル/エムトリシタビン(TDF/FTC)300mg/200mgをそれぞれ配合剤として非盲検的に1日1回投与した。
なお、ベースライン時のHIV-1 RNA量(≦100,000copies/mL、>100,000copies/mL)及びNRTI(ABC/3TC、TDF/FTC)による層別化を実施した。
【評価項目】
有効性:
主要評価項目:
投与16週後におけるHIV-1 RNA量<50copies/mLを達成した患者の割合※1
副次評価項目:
投与24週後/48週後/96週後におけるCD4陽性リンパ球数のベースライン時からの変化量、HIV-1 RNA量<50copies/mLを達成した患者の割合※1、HIV-1 RNA量<400copies/mLを達成した患者の割合※1 など
安全性:
副作用発現率 など
【解析計画】
試験期間に応じて、以下の5つの解析を実施した。
● 投与4週:中間解析(スクリーニング)。
● 投与16週:主要解析。本試験に続いて実施される第Ⅲ相試験において使用する用量を選択。
● 投与24週:最終確認解析。選択した用量について検証。
● 投与48週:中間解析。長期安全性と有効性を評価。
● 投与96週:盲検期間の最終解析。
投与16週後及びその後の有効性に関する解析において、HIV-1 RNA量<50copies/mLを達成した患者の割合は、TLOVRアルゴリズム解析により算出した。また、有効性の解析ではITT-E集団※2を用いた。
※1 TLOVRアルゴリズム解析
※2 無作為化され、1回以上治験薬を投与された集団
TRMQ00103-D1902D 改訂年月2019年2月