ガイドライン

厚生労働省 抗HIV治療ガイドライン第5章(2022年3月版)

表V-2 初回治療として選択すべき抗HIV薬の組み合わせ

02-01

☆キードラッグが同じクラス内では推奨順とし、推奨レベルが同じ場合は、アルファベット順とした。

注1)RAL 400mg錠以外はすべてQD(1日1回)。RAL 600mg錠は、1200mgを1日1回。
注2)cobiやrtvはCYP阻害作用を有するので、薬物相互作用に注意が必要(詳細は添付文書を参照)。rtvはブースターとして少量を併用。
注3)配合剤が入手困難な場合は個別の薬剤の組み合わせでもよい。

*1 HLA-B*5701を有する患者(日本人では稀)ではABCの過敏症に注意を要する。ABC投与により心筋梗塞の発症リスクが高まるという報告がある。
*2 DTG/ABC/3TCはB型肝炎の合併がない患者にのみ推奨。
*3 DTG/3TCはB型肝炎の合併がなく、血中HIV-RNA量が50万コピー/mL未満、薬剤耐性検査で3TC、DTGに耐性のない患者にのみ推奨。
*4 RALはRAL 600mg錠の2錠(1200mg)を1日1回内服か、RAL 400mg 1錠を1日2回内服が可能。
*5 ブースター(cobi,あるいはrtv)を併用する組み合わせであるため。
*6 RPVは血中HIV-RNA量が10万コピー/mL未満の患者にのみ推奨。RPVはプロトンポンプ阻害剤内服者には使用しない。

3TC=ラミブジン ABC=アバカビル BIC=ビクテグラビル DOR=ドラビリン DRV=ダルナビル DTG=ドルテグラビル FTC=エムトリシタビン RAL=ラルテグラビル RPV=リルピビリン TAF=テノホビル アラフェナミド cobi=コビシスタット rtv=リトナビル

02-02

前年度版から変更した主要な箇所には黄色のマーカーを付してある。
[令和3年度厚生労働行政推進調査事業費補助金エイズ対策政策研究事業
 HIV感染症および血友病におけるチーム医療の構築と医療水準の向上を目指した研究班による「抗HIV治療ガイドライン(2022年3月版)」]

抗HIV療法をどう行うか

HIV感染症「治療の手引き」第25版(2021年11月発行)

02-03

HIV感染症の治療では、抗HIV薬を2剤あるいは3剤以上を併用した強力なARTを行う。初回治療では、PI+NRTIあるいはINSTI+NRTIのいずれかの 組合せを選択する。初回治療患者に推奨されるARTの組合せを表6に、日本で現在承認されている抗HIV薬をHIV感染症「治療の手引き」第25版の表7に示す。

●妊産婦に対するARTについてはHIV感染症「治療の手引き」第25版の32ページ参照。

02-04

INSTI:インテグラーゼ阻害薬、PI:プロテアーゼ阻害薬、NNRTI:非核酸系逆転写酵素阻害薬、NRTI:核酸系逆転写酵素阻害薬

日本エイズ学会 HIV感染症治療委員会:HIV感染症「治療の手引き」第25版,2021年11月発行

02-05

QD:1日1回投与、BID:1日2回投与、アルファベット順(同ベース内)、/:配合剤、( )内は1日投与剤数
INSTI:インテグラーゼ阻害薬、PI:プロテアーゼ阻害薬、NNRTI:非核酸系逆転写酵素阻害薬

日本エイズ学会 HIV感染症治療委員会:HIV感染症「治療の手引き」第25版,2021年11月発行

〈INSTI〉
●多価カチオンを含む製剤と同時投与すると、INSTIの血中濃度が低下する可能性がある。

DTG:
●血清クレアチニンが上昇し、クレアチニンクリアランスが低下することがある。

DTG/3TC:
●HIV RNA量<500,000コピー/mLおよびHBVの合併がなく3TC耐性のない患者に推奨される。

EVG/COBI/TAF/FTC:
●ゲンボイヤ配合錠は、治療前のeGFR 30mL/min以上の患者に投与する。
●COBIはCYP3A4阻害薬である。したがって、CYP3Aによる代謝を受ける薬剤と併用した場合にはそれらの血中濃度を上昇させる可能性がある。

RAL:
ブーストしたPI、EVG/COBI/TDF/FTCおよびEFVを含むレジメンと比較して薬物相互作用が少ないため、併用薬の多い患者でも使いやすい。
〈PI〉

ATV+RTV:
●オメプラゾール相当で20mg/日を超える量のプロトンポンプ阻害薬を投与中の患者では使用しない。
〈NNRTI〉

EFV:
●自殺願望および自殺企図などとの関連が報告されており、精神疾患患者への使用は注意を要する。

RPV:
●2NRTIと組合せた場合、HIV RNA量>100,000コピー/mLまたはCD4<200の患者においてはEFVよりもウイルス学的失敗が多いため、HIV RNA量<100,000コピー/mLおよびCD4>200の患者に推奨される。
●食事中または食直後に服用する。吸収に胃酸を要するためプロトンポンプ阻害薬との併用は禁忌であり、H2遮断薬および制酸薬との併用には注意を要する。
〈NRTI〉

ABC:
●HLA-B5701を有する患者には使用すべきでない(日本人では稀)。
●心血管系疾患のリスクの高い患者では注意して使用する。
●HIV RNA量≧100,000コピー/mLの患者では、ABC/3TCよりもTDF/FTCの方が、ATV+RTVまたはEFVとの組合せでウイルス抑制効果が高いとの報告がある。

TAF/FTC:
●HBVを合併している患者に効果がある。

INSTI:インテグラーゼ阻害薬、PI:プロテアーゼ阻害薬、NNRTI:非核酸系逆転写酵素阻害薬、NRTI:核酸系逆転写酵素阻害薬

日本エイズ学会 HIV感染症治療委員会:HIV感染症「治療の手引き」第25版,2021年11月発行

PM-JP-DLL-WCNT-200008 作成年月2022年7月