国際HIV陽性者調査

ウイルス抑制を超えて:90-90-90と4th 90

世界保健機関は健康の定義において、診断に焦点を当てたアプローチから、身体的、精神的、および社会的領域全体にわたる人のポジティブな全体的な幸福と生活の質(QOL)を重視するアプローチに焦点を移した 1)。 このパラダイムシフトは、UNAIDS目標の90-90-90の「第4の90」への組み込みにより、HIV領域にも出現し、健康関連QOLの改善を求めている 2)

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1) World Health Organization. Constitution. https://www.who.int/about/who-we-are/constitution. Accessed September 19, 2019.
2) Lazarus JV, et al.: BMC Med 2016; 14(1):94.
Okoli C, et al.: Prev Chronic Dis. 2020. 17:E22. doi: 10.5888/pcd17.190359
[本試験に関する費用は、ヴィーブヘルスケア(株)の支援を受けた。著者には、ヴィーブヘルスケア(株)の社員が含まれる。]

Positive Perspectives 2:調査目的

https://viivhealthcare.com/en-gb/our-stories/partnerships-key-populations/global-positive-perspectives-study-2-people-living-with-HIV/
Accessed in August, 2020

Positive Perspectives 2:調査の主要エリア

https://viivhealthcare.com/en-gb/our-stories/partnerships-key-populations/global-positive-perspectives-study-2-people-living-with-HIV/
Accessed in August, 2020

調査デザイン

Okoli C, et al.: Prev Chronic Dis. 2020. 17:E22. doi: 10.5888/pcd17.190359
[本試験に関する費用は、ヴィーブヘルスケア(株)の支援を受けた。著者には、ヴィーブヘルスケア(株)の社員が含まれる。]

各国50~400例の範囲で、24ヵ国から合計2,112例のHIV陽性者が参加

Okoli C, et al.: Prev Chronic Dis. 2020. 17:E22. doi: 10.5888/pcd17.190359
[本試験に関する費用は、ヴィーブヘルスケア(株)の支援を受けた。著者には、ヴィーブヘルスケア(株)の社員が含まれる。]

本調査の主要領域

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主要な患者報告アウトカム(PRO)

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統計解析

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参加者背景(抜粋)

Okoli C, et al.: Prev Chronic Dis. 2020. 17:E22. doi: 10.5888/pcd17.190359 より作図
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Positive Perspectives 2 目的①:調査概要(国際共同調査)

【背景】

治療の進歩により、HIV陽性者は現在、長期生存が可能となった一方で、併存疾患および多剤併用の問題に直面している。ウイルス量検出限界以下を維持しているHIV陽性者の、健康のより広範な側面における多剤併用の影響についてはほとんど知られていない。

【目的】

本調査では多剤併用と全体的な健康状態、治療ニーズの認識との関連を検討した。

【対象】

2019年4月~8月に実施されたPositive Perspective 2調査を完了した24ヵ国の成人HIV陽性者2,112例

【方法】

ウェブ又は人を介した方法による自己評価方式で、全体的な健康、治療満足度、自己申告によるウイルスコントロールについて評価し、薬剤数とQOLの関係について調査した。
多剤併用とは、1日5錠以上服用、又は5種類以上の症状で治療している場合と定義した。データは記述的多変量解析により分析した。

Okoli C, et al.: Prev Chronic Dis. 2020. 17:E22. doi: 10.5888/pcd17. 190359
[本試験に関する費用は、ヴィーブヘルスケア(株)の支援を受けた。著者には、ヴィーブヘルスケア(株)の社員が含まれる。]

目的①:臨床パラメーター

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HIV陽性者の42%が多剤併用ありの状態であった

全HIV陽性者の42%が多剤併用と報告された。50歳以上、2010年以前に診断、併存疾患2種類以上、ウイルスコントロール失敗例で多剤併用率が高かった。全サブグループで統計学的有意差を認めた(p<0.05,多変量ロジスティック回帰分析)。

Okoli C, et al.: Prev Chronic Dis. 2020. 17:E22. doi: 10.5888/pcd17.190359 より改変
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1日当たりの平均服用薬剤数

全HIV陽性者の82%がHIV治療薬以外の薬剤を1日当たり少なくとも1錠以上服用していた。
多剤併用状態である人では平均6.5錠/日、多剤併用ではない人は平均2.6錠/日であった。

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HIV陽性者の56%が至適な全体的健康状態と報告した

至適な健康状態であると回答した割合は、性的健康で47%、精神的健康で56%、身体的健康では58%であった。

Okoli C, et al.: Prev Chronic Dis. 2020. 17:E22. doi: 10.5888/pcd17.190359 より改変
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多剤併用の有無によるHIV陽性者の健康関連QOLの違い

多剤併用ありのHIV陽性者では、ウイルス抑制状態であっても、多剤併用なしと比べて全ての健康状態、治療満足度が有意に不良であった(p<0.05)。

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HIV陽性者の73%は、ウイルス抑制されている限り
HIV治療の薬剤成分数の削減に前向きであった

HIV陽性者の75%は毎日服用している薬剤の成分数を自覚しており、ウイルス抑制されている限りはHIV治療の薬剤成分数の削減に前向きであった(73%)。

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自己申告ウイルス量別の多剤併用と治療への認識

薬剤による長期の影響を心配するHIV陽性者の割合は、ウイルス量が抑制されている場合は70.4%、ウイルス量が抑制されていない又は不明の場合は56.2%であった。

Okoli C, et al.: Prev Chronic Dis. 2020. 17:E22. doi: 10.5888/pcd17.190359
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併存疾患数、併用薬剤数の違いによる
ARTへの懸念と薬剤数の削減に前向きなHIV陽性者の割合の差

HIV治療薬数の削減について前向きなHIV陽性者の割合は、併存疾患の数が増加するにつれて、有意に増加した(p<0.001)。

Okoli C, et al.: Prev Chronic Dis. 2020. 17:E22. doi: 10.5888/pcd17.190359
[本試験に関する費用は、ヴィーブヘルスケア(株)の支援を受けた。著者には、ヴィーブヘルスケア(株)の社員が含まれる。]

過去にARTの切り替え経験があるHIV陽性者における切り替え理由


HIV陽性者の73%がHIV治療薬を切り替えた経験があった。切り替え理由の上位3つは、副作用の軽減、薬剤錠数及び薬剤成分数の削減であった。 (n=1,550)

Okoli C, et al.: Prev Chronic Dis. 2020. 17:E22. doi: 10.5888/pcd17.190359
[本試験に関する費用は、ヴィーブヘルスケア(株)の支援を受けた。著者には、ヴィーブヘルスケア(株)の社員が含まれる。]

ART開始時点と現在(調査時)において、HIV治療に対して重視した点の違い

診断されて2年以上のHIV陽性者において、ARTの開始時期と比較して、現在(調査時)においてHIV治療に対して重視した懸念点に変化が見られた。変化が大きかったものではHIV治療による長期的な影響を最小限に抑えること(+16%)、抗HIV薬の薬剤成分数を最小限に抑えること(+15%)であった。(n=1,624) 

Okoli C, et al.: Prev Chronic Dis. 2020. 17:E22. doi: 10.5888/pcd17.190359
[本試験に関する費用は、ヴィーブヘルスケア(株)の支援を受けた。著者には、ヴィーブヘルスケア(株)の社員が含まれる。]

診断されてから2年以上のHIV陽性者が治療に対して新たに重視した点

診断されてから2年以上のHIV陽性者において、治療開始時点と現時点(調査時)とでHIV治療に対して重視した点について尋ねた。治療開始時には重視しておらず、新たに重視した点について、過去の副作用経験、多剤併用、服薬数が多いことの自覚、薬剤減量を試みた経験 の有無で層別解析した。(n=1,624)

a:HIV及び非HIV疾患に対し1日5錠以上服用、又は5種類以上の症状で治療中の場合を多剤併用とした
b:過剰投薬の自覚(認知プロキシ)を評価するために、現在のHIV治療に関する回答者の不安を評価する6つの質問をし、5つ以上を肯定した場合を定義した。
1)長期的な副作用についての心配を含めることの短期、中期、および長期の影響。 2)より多くの薬を服用する必要がある; 3)他の薬剤との相互作用の可能性; 4)身体および/または身体形状への影響; 5)全体的な健康と福祉への影響 6)未知の長期的影響
c:服薬による短期または長期の副作用への不安から、過去30日間に薬の服用をスキップした場合、またはそれを理由に完全にHIV薬の数と影響を減らすために意図的に努力したと分類した

Okoli C, et al.: Prev Chronic Dis. 2020. 17:E22. doi: 10.5888/pcd17.190359
[本試験に関する費用は、ヴィーブヘルスケア(株)の支援を受けた。著者には、ヴィーブヘルスケア(株)の社員が含まれる。]

まとめ

Okoli C, et al.: Prev Chronic Dis. 2020. 17:E22. doi: 10.5888/pcd17.190359
[本試験に関する費用は、ヴィーブヘルスケア(株)の支援を受けた。著者には、ヴィーブヘルスケア(株)の社員が含まれる。]

PM-JP-DLL-WCNT-200008 作成年月2022年7月