国際HIV陽性者調査(POSITIVE PERSPECTIVES WAVE 2)
ポリファーマシーがQOLに及ぼす影響
Positive Perspectives 2 目的①:調査概要(国際共同調査)
【背景】
治療の進歩により、HIV陽性者は現在、長期生存が可能となった一方で、併存疾患および多剤併用の問題に直面している。ウイルス量検出限界以下を維持しているHIV陽性者の、健康のより広範な側面における多剤併用の影響についてはほとんど知られていない。
【目的】
本調査では多剤併用と全体的な健康状態、治療ニーズの認識との関連を検討した。
【対象】
2019年4月~8月に実施されたPositive Perspective 2調査を完了した24ヵ国の成人HIV陽性者2,112例
【方法】
ウェブ又は人を介した方法による自己評価方式で、全体的な健康、治療満足度、自己申告によるウイルスコントロールについて評価し、薬剤数とQOLの関係について調査した。
多剤併用とは、1日5錠以上服用、又は5種類以上の症状で治療している場合と定義した。データは記述的多変量解析により分析した。
Okoli C, et al.: Prev Chronic Dis. 2020. 17:E22. doi: 10.5888/pcd17. 190359
[本試験に関する費用は、ヴィーブヘルスケア(株)の支援を受けた。著者には、ヴィーブヘルスケア(株)の社員が含まれる。]
多剤併用の有無によるHIV陽性者の健康関連QOLの違い
多剤併用ありのHIV陽性者では、ウイルス抑制状態であっても、多剤併用なしと比べて全ての健康状態、治療満足度が有意に不良であった(p<0.05)。
Okoli C, et al.: Prev Chronic Dis. 2020. 17:E22. doi: 10.5888/pcd17.190359
[本試験に関する費用は、ヴィーブヘルスケア(株)の支援を受けた。著者には、ヴィーブヘルスケア(株)の社員が含まれる。]
HIV陽性者の73%は、ウイルス抑制されている限り
HIV治療の薬剤成分数の削減に前向きであった
HIV陽性者の75%は毎日服用している薬剤の成分数を自覚しており、ウイルス抑制されている限りはHIV治療の薬剤成分数の削減に前向きであった(73%)。
Okoli C, et al.: Prev Chronic Dis. 2020. 17:E22. doi: 10.5888/pcd17.190359
[本試験に関する費用は、ヴィーブヘルスケア(株)の支援を受けた。著者には、ヴィーブヘルスケア(株)の社員が含まれる。]
自己申告ウイルス量別の多剤併用と治療への認識
薬剤による長期の影響を心配するHIV陽性者の割合は、ウイルス量が抑制されている場合は70.4%、ウイルス量が抑制されていない又は不明の場合は56.2%であった。
Okoli C, et al.: Prev Chronic Dis. 2020. 17:E22. doi: 10.5888/pcd17.190359
[本試験に関する費用は、ヴィーブヘルスケア(株)の支援を受けた。著者には、ヴィーブヘルスケア(株)の社員が含まれる。]
PM-JP-DLL-WCNT-220016 作成年月2022年12月