DOVATO

DOLCE試験(第Ⅳ相臨床試験)

海外データ

未治療でCD4陽性T細胞数<200/mm3のHIV感染症患者を対象とした非盲検仮説検証型試験

(本試験の対照薬は国内未承認ですが、薬剤選択時の参照情報としてご紹介いたします。)

試験概要

【目的】

ART(抗レトロウイルス療法)未実施で、かつCD4陽性T細胞数≦200/mm3の成人HIV感染症患者を対象に、ドルテグラビル(DTG)・ラミブジン (3TC)の2剤併用療法とDTG・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩(TDF)・XTC[エムトリシタビン(FTC)または3TC]の3剤併用療法の有効性および安全性を評価すること。

【対象】

CD4陽性T細胞数≦200/mm3のART未治療のHIV感染症患者 230例
[主な選択基準]18歳以上の成人、妊娠中/授乳中ではない、ART未治療、スクリーニング時の血漿中HIV-1 RNA量≧1,000copies/mL
[主な除外基準]B型肝炎感染、DTG、3TC、またはTDFに対する耐性変異、活動性日和見感染症、肝機能障害または腎機能障害

【方法】

第Ⅳ相、無作為化、非盲検、仮説検証型、多施設共同試験
対象患者を、国(アルゼンチン、ブラジル)とウイルス量(≧100,000または<100,000copies/mL)で層別化し、2:1の割合でDTG・3TC群とDTG・TDF・XTC(3剤配合剤)群に無作為に割り付けた。DTG・3TC群はDTG 50mgと3TC 300mgの配合錠、3剤配合剤群はDTG 50mg、TDF 300mg、XTC(FTC 200mgまたは3TC 300mg)を1日1回、48週間投与した。
スクリーニング期間は10日間に限定され、その後、治療期間が48週間、さらに有害事象を記録するための追跡期間が4週間とされた。スクリーニング時、ベースライン時、治療開始から4週、12週、24週、36週、48週、治験終了時に受診した。

*3剤配合剤:ドルテグラビル(DTG)・テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(TDF)・XTC[エムトリシタビン(FTC)またはラミブジン(3TC)]、国内未承認薬

評価項目

【有効性】

主要評価項目:
投与48週時に血漿中HIV-1 RNA量<50copies/mLとなった患者の割合

副次評価項目:
投与24週時に血漿中HIV-1 RNA量<50copies/mLとなった患者の割合、ベースライン時の血漿中HIV-1 RNA量>100,000copies/mLであった患者のうち、投与48週時にウイルス学的抑制を達成した患者の割合、投与24週時および48週時におけるベースラインからのCD4陽性T細胞数の変化、HIV疾患の進行、ウイルス学的ノンレスポンスの患者における耐性変異の出現

サブグループ解析:
全体集団、ベースラインの血漿中HIV-1 RNA>500,000copies/mLの集団、同>1,000,000copies/mL の集団のウイルス抑制達成までの時間

【安全性】

有害事象発現率、有害事象の重症度、有害事象による投与中止に至った患者の割合

【解析計画】

GEMINI試験の結果に基づき、DTG・3TC群における奏効率を80%と予測した。DTG・3TC群で70%超の奏効率を検出するための検出力85%が確保されるのに必要なサンプルサイズは、DTG・3TC群153例、3剤配合剤群77例と算出された。
主要な有効性解析集団はITT-E集団(無作為化され、少なくとも1回以上投与された患者)とした。ただし、主要なプロトコル違反をした患者、24週以降にウイルス学的失敗があった患者は除外した。 FDA Snapshotアルゴリズム解析により評価した。 Per-protocol(PP)集団(主要なプロトコル違反をした患者、24週以降にウイルス学的失敗があった患者を除外)でも解析した。
有効性評価項目は、頻度、割合、95%信頼区間(CI)で報告された。
副次的非劣性解析(有意水準0.05)では、投与48週時において血漿中HIV-1 RNA量<50copies/mLとなった患者の割合の群間差について、非劣性マージンを10%とした。
サブグループごとのウイルス抑制達成までの時間はKaplan-Meier法を用いて推定された。
安全性の評価は、有害事象および重篤な有害事象の発現数として示し、その発現率も算出した。
血漿中HIV-1 RNA量とCD4陽性T細胞数の経時的な変化および群間の変化を評価するため、患者を変量効果(ランダム項)、治療群と時点を固定効果(因子)、層別化変数を共変量として組み込んだ。ウイルス学的抑制までの期間は、Kaplan-Meier法を用いて推定された。

[Figueroa MI, et al.: Clin Infect Dis., 82(1), 122-131(2026)]
[本試験に関する費用は、ヴィーブヘルスケア(株)の支援を受けた。著者には、ヴィーブヘルスケア(株)が過去に、謝礼、講演料、研究費等を支払った者が含まれる。]

LImItatIon

● 本試験の対象患者は主に南米の2ヵ国に住む50歳未満の男性で構成されているため、この結果を他の地域や異なる背景をもつHIV感染者のサブグループに外挿する際には慎重な解釈が必要である。 

● DTG・3TC群が1日1錠の配合剤であったのに対し、3剤配合剤群は1日2錠を服用する必要があったため、服薬アドヒアランスに影響を与えた可能性がある。ただし、アドヒアランス報告では観察されなかった。

● 追跡期間は48週間に限られており、本研究結果を確証するには、より長期のフォローアップが必要となる可能性がある。

[Figueroa MI, et al.: Clin Infect Dis., 82(1), 122-131(2026)]
[本試験に関する費用は、ヴィーブヘルスケア(株)の支援を受けた。著者には、ヴィーブヘルスケア(株)が過去に、謝礼、講演料、研究費等を支払った者が含まれる。]

患者内訳

*:3剤配合剤群に無作為に割り付けられたものの、DTG・3TCを服用した2例の患者を除外した。
**:3剤配合剤群に無作為に割り付けられたものの、DTG・3TCを服用した2例の患者を含む。
***:1例の患者は、治験中止までに治験薬を一度も服用しなかった。

[Figueroa MI, et al.: Clin Infect Dis., 82(1), 122-131(2026)]
[本試験に関する費用は、ヴィーブヘルスケア(株)の支援を受けた。著者には、ヴィーブヘルスケア(株)が過去に、謝礼、講演料、研究費等を支払った者が含まれる。]

患者背景(1)

ベースラインデータが利用不可:BMI(DTG・3TC群:1例)
略語:IQR=四分位範囲、HIV=ヒト免疫不全ウイルス

[Figueroa MI, et al.: Clin Infect Dis., 82(1), 122-131(2026)]
[本試験に関する費用は、ヴィーブヘルスケア(株)の支援を受けた。著者には、ヴィーブヘルスケア(株)が過去に、謝礼、講演料、研究費等を支払った者が含まれる。]

患者背景(2)

ベースラインデータが利用不可:CD4細胞数および割合(3剤配合剤群:3例、DTG・3TC群:1例)、 HIVサブタイプ(3剤配合剤群:2例、DTG・3TC群:1例)
略語:IQR=四分位範囲、HIV=ヒト免疫不全ウイルス、SD=標準偏差

[Figueroa MI, et al.: Clin Infect Dis., 82(1), 122-131(2026)]
[本試験に関する費用は、ヴィーブヘルスケア(株)の支援を受けた。著者には、ヴィーブヘルスケア(株)が過去に、謝礼、講演料、研究費等を支払った者が含まれる。]

抗ウイルス効果

[Figueroa MI, et al.: Clin Infect Dis., 82(1), 122-131(2026)]
[本試験に関する費用は、ヴィーブヘルスケア(株)の支援を受けた。著者には、ヴィーブヘルスケア(株)が過去に、謝礼、講演料、研究費等を支払った者が含まれる。]

ウイルス抑制達成までの期間:Kaplan-MeIer曲線

[Figueroa MI, et al.: Clin Infect Dis., 82(1), 122-131(2026)]より改変
[本試験に関する費用は、ヴィーブヘルスケア(株)の支援を受けた。著者には、ヴィーブヘルスケア(株)が過去に、謝礼、講演料、研究費等を支払った者が含まれる。]

ウイルス学的抑制達成【主要評価項目】、
ウイルス学的ノンレスポンス【副次評価項目】、ウイルス学的データなし

[Figueroa MI, et al.: Clin Infect Dis., 82(1), 122-131(2026)]
[本試験に関する費用は、ヴィーブヘルスケア(株)の支援を受けた。著者には、ヴィーブヘルスケア(株)が過去に、謝礼、講演料、研究費等を支払った者が含まれる。]

CD4陽性T細胞数の推移【副次評価項目】

[Figueroa MI, et al.: Clin Infect Dis., 82(1), 122-131(2026)]
[本試験に関する費用は、ヴィーブヘルスケア(株)の支援を受けた。著者には、ヴィーブヘルスケア(株)が過去に、謝礼、講演料、研究費等を支払った者が含まれる。]

安全性

n(%)

IRIS:免疫再構築症候群(Immune Reconstitution Inflammatory Syndrome)。HIV治療の開始後に免疫機能が回復する過程で、体内に潜伏していた日和見感染症などの病原体に対して過剰な免疫反応が起こり、炎症が悪化する状態を指す。

DTG・3TC群における主な副作用は皮膚および皮下組織障害(10件、20.0%)および胃腸障害(7件、14.0%)であった。投与中止に至った副作用は汎血球減少および発熱(1例、0.7%)であった。死亡に至った副作用は汎血球減少であった。IRISは、結核性髄膜脳炎、バーキットリンパ腫(非ホジキンリンパ腫)、リンパ腫の疑い、髄膜播種を伴う播種性結核、サイトメガロウイルス(CMV)脈絡網膜炎および硝子体炎、クリプトスポリジウム症、ストロフルス(丘疹状蕁麻疹)、帯状疱疹、および肝毒性事象(各1例、0.7%)であった。
なお重篤な副作用、3剤配合剤群の事象名と例数は集計していない。

n(%)

安全性についてはDIをご参照ください。

[Figueroa MI, et al.: Clin Infect Dis., 82(1), 122-131(2026)]
[本試験に関する費用は、ヴィーブヘルスケア(株)の支援を受けた。著者には、ヴィーブヘルスケア(株)が過去に、謝礼、講演料、研究費等を支払った者が含まれる。]

PM-JP-DLL-WCNT-220004 | 作成年月2026年3月