LATTE-2試験

「禁忌を含む注意事項等情報」等は、ドラッグインフォメーションをご参照ください。

ボカブリア水懸筋注およびリカムビス®水懸筋注は、海外臨床データに基づき承認されたため、審査で評価された海外臨床試験の結果を紹介します。

LATTE-2試験(海外データ)

抗HIV薬による治療経験のない成人HIV-1感染症患者を対象とした用量設定試験(非劣性試験)

試験概要

【目  的】
カボテグラビル(CAB)+アバカビル・ラミブジン(ABC・3TC)の経口投与を対照に、CAB注射剤+RPV注射剤〔1ヵ月間隔投与、2ヵ月間隔投与〕の筋肉内投与の有効性の非劣性を検討するとともに、安全性、忍容性を検討する。

【対  象】
抗HIV薬による治療経験のない成人(18歳以上)HIV-1感染症患者309例(ベースライン時の血漿中HIV-1 RNA量≧1,000copies/mL、CD4陽性リンパ球数≧200cells/mm3

【方  法】
多施設共同、無作為化、非盲検、並行群間比較、第Ⅱb相用量設定試験(非劣性試験)
本試験は、スクリーニング期(28日)、導入療法期(20週)、維持療法期(96週)、延長療法期(96週以降)、長期追跡調査期の5期で構成されている。導入療法期には、対象患者にCAB経口剤30mg+ABC・3TC(600mg・300mg) *を1日1回経口投与し、16週時からRPV経口剤25mg1日1回を4週間、追加経口投与した。導入療法期の16週時にウイルス学的抑制(血漿中HIV-1 RNA量<50copies/mL)が得られた患者は、20週の導入療法期から維持療法期に移行し、2:2:1の割合でCAB注射剤400mg+RPV注射剤600mgの4週間隔投与(Q4W)群(筋肉内投与)、CAB注射剤600mg+RPV注射剤900mgの8週間隔投与(Q8W)群(筋肉内投与)、CAB経口剤30mg+ABC・3TC *の継続投与群に無作為に割り付けられ、96週間投与された(維持療法期の32週、48週、96週時に解析)。ただし、CAB注射剤+RPV注射剤のいずれの投与群でも、CAB注射剤の初回投与量は800mg *であった(Q8W群では、さらに4週時にCAB注射剤600mgのみを追加投与)。延長療法期では、Q4W群、Q8W群のいずれも、維持療法期の投与方法が継続された。CAB+ABC・3TC *群は、Q4WまたはQ8Wに切り替えた。

【評価項目】

有効性:主要評価項目:ITT-ME集団※1において、投与32週後に血漿中HIV-1 RNA量<50copies/mLを達成した患者の割合及び推移※2、プロトコールで規定されたウイルス学的治療失敗(PDVF)※3に至った患者の割合、投与32週後のウイルス学的治療アウトカム

副次評価項目:投与48週後、96週後、256週後における血漿中HIV-1 RNA量<50copies/mLを達成した患者の割合及び推移、投与48週後、96週後、256週後のウイルス学的治療アウトカム、投与48週後、256週後の薬剤関連耐性変異の発現、投与96週後、256週後の血漿中HIV-1 RNA量及びCD4陽性リンパ球数のベースラインからの変化量、投与スケジュールを遵守した患者の割合 など

安全性:主要評価項目:有害事象の発現率、重症度、臨床検査値異常、注射部位反応 など

【解析計画】
本試験は、CAB注射剤+RPV注射剤レジメンのQ4W及びQ8W(筋肉内投与)の有効性及び安全性をCAB+ABC・3TC *(経口投与)と比較するためにデザインされた。主要評価項目及び副次評価項目の解析にはベイズ確率モデルを用いて、奏効率の事後確率が90%以上である場合に、統計学的に肯定的な結果が得られるとし、投与32週後(主要評価項目)及び48週後(副次評価項目)に血漿中HIV-1 RNA量<50copies/mLを達成した患者の割合は、非劣性マージンを-10%とし、CAB+ABC・3TC *の経口投与に対するCAB注射剤+RPV注射剤の筋肉内投与の非劣性を検討した。有効性の主要評価項目は、ITT-ME集団を用いて、FDA Snapshotアルゴリズム解析により算出した。また、導入療法期と維持療法期を組み合わせた有効性解析にはITT-ME集団を用いたが、導入療法期の有効性解析にはITT-E集団※4を用いた。安全性の解析対象は、安全性解析対象集団※5とした。

*:ボカブリア錠およびボカブリア水懸筋注の効能又は効果に関連する注意については、ドラッグインフォメーションをご参照ください。

※1 ITT-ME集団:無作為化され、維持療法期に1回以上治験薬を投与された集団

※2 ITT-ME集団におけるFDA Snapshotアルゴリズム解析を実施

※3 PDVF(Protocol-defined virological failure):プロトコールで規定されたウイルス学的治療失敗

※4 ITT-E集団:無作為化され、導入療法期に1回以上治験薬を投与された集団

※5 安全性解析対象集団:治験薬が1回以上投与されたすべての患者

本邦で承認されたボカブリア水懸筋注およびリカムビス®水懸筋注の用法及び用量は、1ヵ月間隔投与(CAB注射剤600mg及びRPV注射剤900mgを投与し、以降はそれぞれ400mg、600mgを1ヵ月に1回投与)および2ヵ月間隔投与(CAB注射剤600mg及びRPV注射剤900mgを投与し、初回投与後1ヵ月後にそれぞれ600mg、900mgを投与、以降はそれぞれ600mg、900mgを2ヵ月に1回投与)です。

引用文献

  1. Margolis, D.A., et al.: Lancet 390(10101), 1499-1510(2017)
  2. Smith, G.H.R., et al.: Open Forum Infect Dis 8(9):ofab439(2021)
    [本試験に関する費用は、ヴィーブヘルスケア(株)及びヤンセンファーマ(株)の支援を受けた。 著者には、ヴィーブヘルスケア(株)及びヤンセンファーマ(株)による助成金等を受けた者が含まれる。著者には、ヴィーブヘルスケア(株)及びヤンセンファーマ(株)の社員が含まれる。]
  3. 承認時評価資料:海外臨床試験(200056)

PM-JP-CBR-WCNT-220004 | 改訂年月2025年6月